興味転々

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般若心経講義 高神覚昇著

「般若心経講義」を読み終えた。
著者は高神覚昇氏。
この本は、1952年(昭和27年9月30日)初版発行
で今回読んだ内容は、1979年(昭和54年7月30日)改訂版を使用したもの。
kindleで、2006年9月15日青空文庫で作られたものだった。入力校正、制作はボランティアによるもののようだ。
次の青空文庫のサイトでも読む事ができる。

 >高神覚昇 般若心経講義

kidle版も無料だった。

 

 

 著者の高神覚昇氏は、昭和23年2月26日に55歳の若さで亡くなられている。
初版が平成昭和27年だから、氏が生存中の講義をまとめて編集されたものだろうか?
生前氏が書き貯めた講義の内容をまとめて出版されたものだろうか?
そのへんことはことこの本には書かれていない。

 



宗教に関しては、仏教、神道キリスト教と一般的に日本人として、季節ごとにそれぞれの宗教の行事に参加したりしていた。
これといって決まった宗旨はない。
これは、日本人独特の個性だと思う。
台風、地震などの天災、季節の変化など厳しい自然環境に長く息づいてきた日本人。
常に自然に合わせて生きる事を強いられてたといってもいい。

人間の脳の中で考えた原則など、自然が少し機嫌を損ねれば吹き飛んでしまう。自然のご機嫌がくるくる変わる日本列島でいきるには、自然に合わせてくるくると動かなければならかった。
「日本人は原則をもたない。日本人の唯一の原則は『無原則』となった。
「日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化編】より

日本人はその都度都度に変化して考え方を変える事ができる、色々なものを柔軟に受け入れる事ができるようになったのかもしれない。

しかし、常に同じではない「無常」は仏教に通じるものがある。
日本古来よりあった神道と平行して日本に根づき日本文化に大きな影響を与えてきたのも仏教の考え方からかもしれない。
仏教は、いろいろな宗派がある。
この本には、十三宗、五十数派と宗旨や宗派があると書かれていた。

念仏によるか、座禅によるか、信心によるか公案(座禅)によるかその行く道程は違っても、到着すべきゴールは一つです。
宗論はどちらが負けても釈迦の恥

宗旨は宗派が違っても同じ仏教であることには変わりない。
その仏教の教えは色々な経典があるようだ。

昔から八万四千の法門といわれるくらいで、仏教の聖典の中には、ずいぶんたくさんのお経があります。しかしその数あるお経の中で、この『心経』ほど、首尾の一貫した、まとまった、しかも簡単なお経は他にないのであります。『心経』は全部で、その字数はたった二百六十字しかありません。もっとも、私どもが日ごろ読誦(どくじゅ)しております『心経』には、「一切」という文字がありますから、結局二百六十二字となりますが、すでに弘法大師も、 「文(もん)は一紙に欠け、行(ぎょう)は則(すなわ)ち十四、謂(い)うべし、簡にして要、約にして深し」  といっているように、全くこんなに簡単にして明瞭なお経は決して他にないのであります。

天下第一のお経 次にまた、その名前のよく知れ渡っているという点では、あの『論語』にも匹敵するのであります。そして論語が天下第一の書といわれているように、この『心経』もまた昔から天下第一の「経典」といわれているのであります。とにかく、仏教のお経といえば『心経』、『心経』といえば仏教を聯想するというほど、このお経は、昔からわが日本人とは、きわめて縁の深いお経なのであります。

 般若心経が端的に仏教の考えを表してると言えるののかもしれない。
しかし、今の日本人にとって、漢字ばかりでかかれた経典を読んで理解するのは難しい。ただ、意味が分からずとも唱える事はできる。多くの宗派ではこの経お唱えている。
その 般若心経に書かれた内容を詳しく説明た本がこの本だと思う。
イコール仏教についての本でもあると言える。
人生の生き方を感がさせられる内容でもあるように思う。
大変読みやすく、分かりやすい。
しかし、仏教の追求することの難しさも、少しでもわかったように思う。
難しいが故に、多くの宗派がうまれたのかもしれないと思った。

「空」という言葉が仏教のすべての根底にあるようだ。
一般に仏教は「無」と言われるのを聞くが、「無」ではなく「空」だ。
同じようだが、ちょっと違うような気もする。
この本では「無」という表現はされていなかった。

kindle版は無料なので、是非一読してみるもの良いと思う。
今までと違った視点で人を見る事ができるような気がする。

般若心経講義

般若心経講義

 
日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)

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日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】 (PHP文庫)

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日本史の謎は「地形」で解ける【環境・民族篇】 (PHP文庫)

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