興味転々

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「現代を読み解くための『世界史』講義」を読んで

※「現代を読み解くための『世界史』講義」を読んで思ったことを、本の内容を引用しつつ、自分の考えを書いた。ここに書かれている内容がこの本の内容とすべて一致するものではない。 

 

大過なく安定して人が暮らせる「平和」時代があったり、

下剋上」のような時代の波なうねる「変革」の時代があったり。

時代は変化する。

今はどちらかというと、「平和」な時代だと思う。

しかし、アメリカで大領領選挙で共和党泡沫候補を思われたトランプ大統領が誕生した。

メキシコとアメリカの国境に壁を築くなど突拍子もないこと言って、周りを驚かせたが、

アメリカ国民は、トランプ氏を大統領に推した。

金融はトランプ大統領への期待が膨らみ、ダウはどんどん上がった。

しかし、ここに来て、少し潮目が変わったようだ。

トランプ大統領の就任当初の勢いはどこへやら、最近はおとなしい。

勢いに乗って出した入国の規制の大統領令も、

州政府ではなく、州裁判所の判決で、大統領令の効果も次々と停止させられた。

似たような話が、あったようだ。

かつてアメリカでは、ルーズベルト大統領の時代。

ルーズベルト大統領は、民主党

議会も民主党過半数を占めていた。

そのとき、世論も民主党の大統領を支持していた。

野党の共和党は、議会では勝てないということで、

そこで、司法に訴えかけ大統領を追い詰めたことがあるようだ。

今回のトランプ大統領大統領令が次から次へと司法により抑えられたことに似ている。

アメリカは、大統領にはすごい力があり、期間限定の独裁者といわれるほどだが、

暴走はしないひょうなしくになっているようだ。

 

昨年の6月には、イギリスの国民党票でEU離脱の国民の意思表示があり。

これから、イギリスとEUと離脱に向けての交渉が始まる。 

 

 

 

民主主義社会では、国民の意見が重要視される。

アメリカでは議会と大統領ともに国民から選ばれた形式になってる。

イギリスは、日本と同じく議会は国民から選ばれている首相は直接選ばれていない。

議会制民主主義だ。

政治や国際関係や経済関係がややっこしく、国民に平たく理解を求めることが難しくなってきている。

国民に選ばれた代議士でさえ十分に理解していないと思う。

こいうなると、国民に耳ざわっりのいいこと言う人間が人気を得て、

議会に当選したり、

大領領になったりする。

デマゴーゴスが跋扈することになる。

そもそも民主制の前提条件は、

「貧しさ」そして「国民一人ひとりによる熱烈な政治への関心」のようだ。

日本は、豊かになり、

国民は政治への関心をうしなった。

難しすぎて、情報不足(官僚が情報をしまい込み、時には早々に破棄したといって、世の中にかったものにする)から余計に関心がなくなる。

今、起きている森友問題や豊洲問題などのようなゴシップに興味が集中し、

その先に何があるかには無関心にならざる得ない状況になるような気がする。

そう、人口が増え、世の中の仕組みが複雑になり、

人ひとりの意思が十分に上に届かず、

上は下の暮らしの隅々まで見渡せなくなってきている。

結果、世の中の上の部分(政治家や大企業、官僚)を中心とし、

他は、十把一絡げ(じっぱ‐ひとからげ)の選挙対策用に

選挙が近くなると耳障りのよいような発言や政策が多くなる。

こうして、上と下の格差が広がっていくのだろう。

しかし、今の日本は暮らしやすく、国民それぞれに不満はあるが、

即生活に困窮するという人は多くないと思う。

こういった状況では、民主制は形骸化してしまいやすようだ。

 

   

 

憲法改正については関係する話があった。

ポーランドのことを取り上げてた。

かつてこの国は、16世紀ころはヨーロッパでは最強を誇る国だった。

世界史でもポーランドの記述は出てくるはず。

ポーランドの貴族たちは自分たちの利権を守るために、

「リベルム・ヴェト」を制定した。

これは、議会で全会一致でないと法案は廃案になるというもの。

ひとりでも反対すると、廃案になるようだ。

これで、議会の貴族たちは自分たちに不利になるような法の変更されなくなった。

しかし、これで、古くなった法律を刷新することができなくなった。

「旧法」を守ることに固執結果、ポーランドは一度滅んでしまったそうだ。

日本でも、70年前の「憲法」が一度も改正されず。

原型のまま現存している。

改正すべきという意見は、何十年も前からあったが、

時の首相はだれも手を出せずにいた。

今、憲法改正の機運が高まりつつあるが、

この本では、改正賛成のようだが、

今の政権での憲法改正は、怖いように思う。

改正の時期は、安倍さんの祖父の岸さんが総理のころ、

第二次世界大戦を知っている人がいるだ時代だったように思う。

岸は改正に熱心で、中曽根さんや時の総理に話をしていたようだが、

かなわなかった。

今の総理の孫の安倍さんが「おじいちゃん」の思いを遂げようと熱心になっている。

憲法改正は必要だと思うが、

形骸した民主制のもとで

戦争を知らない世代による改正は、

怖いような気もする。

 

トランプ大統領になったアメリカの政治より、

日本の政治の方が暴走しそうな気がする。

 

現代を読み解くための「世界史」講義

現代を読み解くための「世界史」講義