興味転々

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豊臣秀長ある補佐役の生涯 堺屋太一著

 

2026年の大河の「豊臣兄弟!」主人公が豊臣秀吉と弟の秀長。

弟の秀長の目線から物語が展開する。

戦国時代の小説やドラマはたくさんあるが、豊臣秀長の名前を聞くことはほとんどない。

また、豊臣秀長を主人公にした小説も秀吉や信長・家康・官兵衛にくらべてはるかに少ないだろう。

そもそも、豊臣秀長のことを中心に書いた古文書がないようだ。

戦国大名のこをと書いた古文書に出てくる程度のようだ。

 

大河ドラマの話を聞いて、久々に秀長に関する本を読もうと思った。

かつて、「豊臣秀長」を読んだ。

そして、今回は、堺屋太一さんの「豊臣秀長ある補佐役の生涯」を読んだ。

その時、もし、秀長が秀吉より長生きしていれば、

家康が豊臣政権を簒奪することはできなかったかもしれない。

目立たないが、それほど、豊臣政権にとっては重要人物だった。

秀吉にとって唯一血の繋がった人物だ。

それだけではない。

血の繋がったというだけなら、いい面だけではない。

現実問題、相続になると血の繋がった兄弟姉妹が、ドロドロした関係になることもある。

戦国時代でも兄弟の争いはあった。

秀吉の主君織田信長もそうだった。

弟と争った。

秀吉がラッキーだったのは、弟が秀長だったことかもしれない。

普通の大名の補佐役の兄弟という以上のことをした。

秀長が、補佐役に徹し生え抜きに家臣のいない家臣団をまとめさらには、家臣からも認められるような成果を出すように自己研鑽をした。

内政だけでなく、戰もそこそこ成果を上げた。

ひとり、何役もこなした。

秀吉の金を頓着なく使うのに比べ、倹約家で。

大和大納言なった頃には相当財を貯めたようだ。

それを、貴族や武士たちに貸したそうだ。

秀吉の家臣団でも、一目置かれ、秀吉に言いにくいことを秀長に相談するなど。

豊臣政権にとっては、欠かさざる存在になっただろう。

 

秀長がいなければ、織田信長の家臣の中でも昇進はできず、歴史の中に埋もれていたかもしれない。

秀吉が天下を取れたのも、秀長の存在は大きかったと思う。

この本は、秀長が主人だから、秀長を持ち上げているところがあるかもしれない。

 

豊臣秀長ある補佐役の生涯」は堺屋太一さんが買いただけあって、経営的な視点からも書かれていると思う。

補佐役の面白みと辛さと、補佐役のあり方を描いた小説ではないだろうかと思う。